今回の限定朱印 その2

「華陀荼羅-mandarake-」

 

今年は日蓮聖人がお生まれになって800年。妙顕寺が建てられて700年。妙顕寺にとって記念すべき年です。

前回同様、特別公開に併せて700・800年限定のご朱印を作成しました。

 

お釈迦様は沢山の教えを説かれました。その教えを後に編纂したものを経典と呼びます。経典の数は8万4千種類と言われ、お釈迦様に悩み相談をしていた人が、いかに多かったかが伺えます。

 

 

その中の1つ「経典 妙法蓮華経」は全28話の物語になっています。

第1話は物語の導入部分で、お釈迦様が大衆の前でお説法を始めて行く姿が記されています。人々がこれから救われて行くプロローグの最中、数々の不思議で幻想的なことが起こるのです。

 

その中には、天より金銀の砂が降り注ぎ、とても良い香りのする曼陀羅花(白蓮華)や曼珠沙華(彼岸華)が舞い落ちてきたとされています。

 

 

今から約3000年前の話し。

多くの者が救われたその瞬間に、思いを馳せながら今回の御朱印をご用意いたしました。

 

800年限定朱印には、第1話で天より降り注いだとされる金色の砂を模した金嶺紙を使用。日蓮宗の開祖である日蓮聖人の「髭題目(ひげだいもく)」を書いています。

 

700年限定朱印には、第1話で天より降り注いだとされる銀色の砂を模した銀嶺紙を使用。「髭題目」の派生、妙顕寺を創建した日像上人独自の「波揺り題目(なみゆりだいもく)」を書いています。

 

それぞれのご朱印には天から降ってきた、曼陀羅花(白蓮華)や曼珠沙華(彼岸華)をモチーフにした柄をあしらい、豪華絢爛、華々しい御朱印となりました。

また、特別公開限定朱印「鬼‐Oni‐」と同様に香り漂う御朱印となります。

800年限定朱印には「沈香の香り」700年限定朱印には「白檀の香り」を染み込ませています。

 

 

そして、お題目の両側に書かれている文字、実は前回の特別公開700・800年限定の朱印にて書かれていた両側の文字と繋がっております。

 

前回は両脇に書き下し文で「今此の三界は、皆是れ我が有なり、其の中の衆生は、悉く是れ我が子なり」と書きました。

今回は漢文で「而今此処多諸患難 唯我一人能為救護」と書いております。

書き下し分にすると「而も今此の処は、諸の患難多し、唯我れ一人のみ、能く救護を為す」となります。

 

これらは元々一つの文章で、前回の700・800年記念朱印と合わせると、以下のような文章になります。

「今此の三界は、皆是れ我が有なり、其の中の衆生は、悉く是れ我が子なり 而も今此の処は、諸の患難多し、唯我れ一人のみ、能く救護を為す」となります。

 

分かり易く説明すると

「親が我が子の幸せを願うのと同じように、仏様も私たちを仏の子と思って、何とか全ての人を幸せにしたいと思っている。」

みたいな感じの文章になります。

 

人の親と云えど、人である以上完璧な者はおらず「良い心もあれば悪い心」も備えているものです。

人の心とはそれほどまでに不安定なもの、そんな人々が鬼のような道ではなく、より良い人生を歩めるようにと慈愛をもって見守ってくださっているのが仏様なのです。

そのお言葉が前回と今回の700・800年記念朱印の両脇に書かれているのです。

 

また、限定朱印をご購入の方には、700年・800年の記念品として日蓮聖人が日像上人に授けた玄旨伝法本尊の縮刷版を一緒にお配りしております。

 

最後に限定朱印「曼陀羅華-Mandarake-」のラフ画像を載せておきます。

 

 

限定朱印は枚数に限りがありますのでお早めにどうぞ。

また、全てのご朱印に言えることですが、書き手によって文字の書き味などが変わります。何卒ご理解の程お願いいたします。

 

【特別公開の日程詳細】

https://shikaishodo-myokenji.org/news/exhibition/2044/

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