見どころ

見どこ

桜や深緑、紅葉など季節の移り変わりを感じられる境内や、尾形光琳といった著名な芸術家と縁が深い庭園、重要文化財にも登録されている建立約200年にも渡る圧巻の木造建築の数々をご覧ください。

200年以上に渡り残る木造建築

天明の大火以降建てられた 歴史ある重要文化財

総 門

安土桃山時代に豊臣秀吉の命により現在の地に移転した妙顕寺は、天明の大火と呼ばれる大火災でそのほとんどが焼失しました。しかしその重要性から、その後まもなく復興し、今日に至るまで、その姿を変えることなく残しています。また、その歴史的な価値から重要文化財として指定されています。

大本堂

洛中を襲った天明の大火によって、妙顕寺もほとんど焼失しました。焼失後、以前の姿で復元された大本堂は、十五間四面(27メートル四方)の総欅造りで、京都府の指定有形文化財に指定されております。
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

勅使門

大本堂と大客殿の間には皇族の方を迎え入れる勅使門があります。天明の大火以前と位置が変わることなく、重厚な造りの中に菊の御紋の装飾が施されています。格式ある寺院として土塀の壁面には定規筋と呼ばれる白い水平線が引かれており、その本数によって格式の高さが表されています。

三菩薩堂

三菩薩(日蓮大菩薩・日朗菩薩・日像菩薩)を祀るこのお堂は、屋根に瓦ではなく銅板を用いています。美しく緑色に錆が出ており、瓦とはまた違った雰囲気を醸し出している大堂です。

方丈の化粧屋根裏

方丈入口(受付玄関)にお入りいただくと、沢山の木材が張り巡らされた天井がお出迎えします。
このような天井を「化粧屋根裏」と呼びます。天井に板を張らず、垂木や梁、桁などの骨組みをそのまま室内に見せている天井のことです。かつては御勝手(台所)として使用されていました。

鬼子母神堂

天皇もお参りされていた天拝鬼子母神が祭られている。元々は四角形の土壁のお堂であったが、手前に堂宇が増築された。毎月8日に行われる「八日講」の際にお厨子のお開帳が行われ、間近で天拝鬼子母神を拝することができます。

風情ある季節の移り変わり

春は桜 夏は新緑 秋には紅葉 四季折々の美しさ

勅使門周り

境内には大小様々な桜が植えられており、見ごたえのある境内となっています。大本堂裏側から勅使門にかけては桜のアーチのようになっており、また回廊からの景観も抜群です。

新緑の庭園

青々とした木々に囲まれて、ゆっくりと思いにふける。たまにはそういった贅沢な時間を過ごしてはいかがでしょうか。

大本堂横参道

桜や紅葉以外にもゴールデンウィークの時期から夏にかけては、太陽の光を通して見る新緑というのもまた美しいです。

大本堂横参道

紅葉の時期は、大本堂横に一列に並ぶ景色が美しく、夕焼けに照らされた葉が金色に輝きます。

総門内

総門をくぐると両側には緑色の松と真っ赤な紅葉が迎えてくれます。交互に配置され赤色が際立ちます。

珍しい景色

妙顕寺の周りで雪が降る事はあっても積もる事は少なく、中々見ることができない雪化粧となっています。

京都でも屈指の大きさを誇る大本堂

日蓮大菩薩をはじめとした4人の尊像がここに

法華弘通の尊像

一塔両尊四士という日蓮宗の基本的な御宝前の祀り方に加え、日蓮大菩薩、日朗菩薩、日像菩薩、大覚大僧正が祀られています。いづれの尊像も日本屈指の大きさを誇ります。

格天井 

天井は元々、狩野派による2体の龍の絵『二大龍王図』が描かれていましたが、1975年、老朽化によって天井が崩れました。修復の際、寄進いただいた方々の家紋を記念として配置しています。(※家紋の配置の詳細は本堂裏の木板に記されております)
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

でかなまる

大本堂内にある大きな金丸、通称でかなまる。普段触れる機会のない仏具です。お参りの際に鳴らし、荘厳な音をお供えしてみてはいかがでしょうか?
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

神獣獏の彫刻

大本堂の向拝柱(正面階段の両脇にある柱)の上の部分には、獏(ばく)の彫刻があります。
獏は古代中国の伝説上の動物で、疫病や厄、邪気を払うとされており、縁起の良いものとして寺社建築によく用いられています。一般的には「悪夢を食べてくれる」というのが有名です。

軒天組入部分

軒天付近には、虫食い防止のため白く色を塗られた部分があります。斗組(ますぐみ)・組物(くみもの)などと呼称されます。金物(釘・ボルト)や接着剤を使わず、木材で作られた部品を、複雑な立体パズルのように組み上げています。この組物は寺院によって構造が異なるため、参拝の際に違いを楽しむのも良いでしょう。

後醍醐天皇奉安

大本堂の中には開基(寺院建立に大きく関わった人物)である後醍醐天皇をはじめ、ご縁のある皇族をお祀りしております。
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

趣のある4つの庭園

尾形光琳など著名な芸術家と縁の深い庭園

四海唱導の庭

後光厳天皇より賜った「四海唱導」の扁額より名づけられた庭。勅使門に面しており、紅葉や桜などの美しさはもちろん、奥に見える大本堂の屋根瓦も圧巻です。
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

四海唱導の庭2

紅葉が綺麗な季節には、縁側に腰を掛けて勅使門を眺めると、紅く染まった庭園が広がり、また違った雰囲気が楽しめます。

光琳曲水の庭

尾形光琳自らが手掛けた庭園があったと言われています。天明の大火後、光琳の作品を模した庭を造りました。赤松の枝はお釈迦様が私たちをもれなく救おうとするため、多方面に慈悲の手を差し伸べた姿だと言われています。庭を囲うように廊下が配置されており、角度によって表情が変わるお庭です。
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

光琳曲水の庭2

同じ庭でも角度によって庭の表情が変わります。写真は茶室側の円窓から見た曲水の庭です。まるで絵画の世界を眺めているような風情があります。
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

抱一曲水の庭

光琳曲水の庭の対をなす庭。同じく曲水が流れ、尾形光琳を偲んだ百回忌の際、酒井抱一より奉納された「観世音図」。その中に描かれた色とりどりの花々が咲き誇ります。また、庭に下りて水琴窟の雅な音色を楽しむことができるようになっています。
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。

孟宗竹坪庭

あまり見る機会の少ない孟宗竹の坪庭です。よく見てみると五角形の庭で、毎年竹の位置が変わり、夏には竹の葉が優風にそよぎ、さわやかな音を立て清涼な気持ちにさせてくれる庭です。法華経28章に因み、28本の竹が生えています。
※大本堂、庭園見学には拝観料500円がかかります。